特定健診・特定保健指導を受けないとどうなる?
近年、日本では健康診断(特定健診)や特定保健指導が重要な取り組みとして進められています。
特に40歳以上の成人を対象にしたこの制度は、生活習慣病の予防を目的としており、定期的な健康チェックを通じてリスクを早期に発見し、早期の対策を促しています。
しかし、この特定健診・特定保健指導を受けないことによって、どのような影響があるのでしょうか?
本記事では、健診を受けないことのリスクと、その結果として引き起こされる可能性のある健康問題を掘り下げていきます。
特定健診・特定保健指導とは?
まず、特定健診と特定保健指導の目的について簡単におさらいしておきましょう。
特定健診は、40歳~74歳の方に対して行われる健康診断で、血圧、血糖、血液検査、尿検査、身体計測など、基礎的な健康状態を把握するための検査です。
これにより、糖尿病、高血圧、高脂血症などの生活習慣病の早期発見が可能となります。
一方、特定保健指導は、特定健診の結果、リスクが高いと判定された人に対して行われる指導です。
生活習慣の改善をサポートし、病気の予防や健康の維持を目的としています。
この指導には、運動や食事、喫煙や飲酒習慣の改善など、具体的なアドバイスが含まれます。
特定健診を受けないリスク
特定健診を受けないことは、さまざまな健康リスクを高める原因となります。
特に生活習慣病の予防においては、健診の結果が非常に重要な役割を果たします。
以下は、特定健診を受けなかった場合に考えられるリスクです。
- 病気の早期発見が遅れる
特定健診を受けないと、自分の健康状態についての正確な把握ができません。例えば、高血圧や糖尿病、高脂血症などは初期の段階では自覚症状がないため、自分で気づかないことが多いです。しかし、放置すると、脳卒中や心筋梗塞、腎臓病など、深刻な合併症を引き起こす可能性があります。健診を受けることで、早期にこれらの病気を発見し、対策を講じることができます。 - 生活習慣病の悪化
生活習慣病は、食生活や運動不足、ストレス、喫煙などの生活習慣が原因で引き起こされます。健診を受けないと、自分のリスクが高いことに気づかず、改善のための行動を起こさない可能性があります。例えば、運動不足や過食による体重増加、高脂血症の放置などが進行し、最終的には深刻な病気を招くことになるでしょう。 - 健康に対する無頓着さ
特定健診を受けないこと自体が、健康に対する無頓着な態度を示している場合があります。健康維持のためには、定期的な健診を受けることが基本ですが、これを避けてしまうことは、健康を軽視していることと同義とも言えます。長期的に見れば、病気に対する意識が低く、改善のための努力をしないことで、健康問題が積み重なり、後々治療が難しくなります。
特定保健指導を受けないリスク
特定保健指導を受けない場合、健診でリスクが指摘されたにもかかわらず、生活習慣を改善しないままでいると、さらに健康リスクが高まります。
特定保健指導は、単に病気を予防するだけでなく、生活の質を向上させるためにも重要です。
- 生活習慣の改善が進まない
特定保健指導を受けることで、具体的な改善策やアドバイスを受けることができますが、これを受けないと、自分一人で改善するのは難しい場合があります。特に食事制限や運動習慣を身につけることは、専門的なサポートが必要なことが多いため、指導を受けずに放置すると、リスクが高まります。 - 病気の進行を早める
特定保健指導を受けずに生活習慣を改善しない場合、特定健診で指摘された問題が悪化する可能性があります。例えば、体重が増加し続けて肥満になったり、血糖値が高いままで糖尿病を発症することなどです。これにより、合併症が進行し、治療がさらに困難になる場合もあります。 - 健康寿命の短縮
特定保健指導によって生活習慣が改善されることで、健康寿命を延ばすことが可能です。しかし、この指導を受けずに改善策を講じないと、生活習慣病が進行し、最終的には健康寿命が短くなるリスクが高まります。特に40歳以上では、適切な生活改善が将来の健康に大きな影響を与えるため、指導を受けることが非常に重要です。
受けることのメリット
特定健診や特定保健指導を受けることは、リスクの早期発見や予防策の実施だけでなく、健康意識を高める大きなチャンスです。具体的には以下のメリットがあります。
- 病気を予防できる
早期に病気の兆候を発見し、適切な治療や予防策を講じることで、深刻な病気に進行する前に対処することができます。 - 健康的な生活習慣を身につける
指導を受けることで、健康的な食事や運動、ストレス管理など、日常生活に取り入れるべき習慣が明確になり、実践しやすくなります。 - 医療費の削減
病気が進行してから治療を受けるよりも、早期に予防策を講じることで、医療費の削減にもつながります。また、生活習慣病の予防ができれば、将来的にかかる医療費の負担も軽減できます。
まとめ
特定健診・特定保健指導を受けることは、自分自身の健康を守るための大切なステップです。
これらを受けないことで、病気の早期発見が遅れ、生活習慣病のリスクが高まります。
定期的に健診を受け、必要な指導を受けることで、健康を維持し、より充実した生活を送ることができます。
自分の健康に責任を持ち、健診や指導を受けることの重要性を再認識し、実践していくことが求められます。