特定保健指導システムとは?必要な機能・導入メリット・選び方を解説
特定保健指導・システム導入
特定保健指導システムとは?必要な機能・導入メリット・選び方を解説
特定保健指導では、対象者の確認、利用案内、面接の予約、支援内容の記録、進捗管理、実績評価、結果報告など、多くの業務が発生します。健診結果と保健指導の記録を別々に管理していると、情報を探したり、同じ内容を転記したりする負担が増えがちです。
こうした業務を支援するのが、特定保健指導システムです。対象者の情報と支援の経過をまとめて管理することで、担当者間の情報共有や、次に対応すべき対象者の確認を進めやすくします。
この記事では、健診機関・医療機関・保健指導実施機関・医療保険者の担当者に向けて、特定保健指導システムの役割、確認したい機能、第4期への対応、導入時の選定ポイントを解説します。
特定保健指導システムとは?
特定保健指導システムとは、特定保健指導に関わる対象者情報、予約、支援計画、実施記録、評価結果などを管理し、業務を支援するシステムです。製品によって、保健指導の管理に特化したものと、健診業務と一体で管理できるものがあります。
特定保健指導は、特定健診の結果などから生活習慣の改善が必要と判断された人に対して行う健康支援です。専門職が本人の生活状況に合わせて、目標づくりや取り組みの継続を支援します。支援区分には動機付け支援と積極的支援があり、対象者の選定や評価では制度上の条件を確認する必要があります。
システムの役割は、その支援に必要な情報を整理し、担当者が記録・確認・連携しやすい環境をつくることです。保健指導そのものや、専門職による個別の判断を置き換えるものではありません。
「保健指導を記録できるか」だけでなく、対象者の把握から実施後の報告まで、どの業務をつなげて管理できるかを確認しましょう。
制度の参考:厚生労働省「特定健康診査・特定保健指導」
特定保健指導の管理で起こりやすい課題
対象者情報や記録が複数の場所に分かれている
健診結果は健診システム、予約は予定表、支援記録は紙や表計算ファイルといった管理では、対応前に複数の情報を確認する必要があります。転記のたびに、取り違えや更新漏れが起こる可能性もあります。
予約と実施状況を一覧で把握しにくい
初回面接が未予約の人、次の支援日を調整している人、評価がまだ終わっていない人など、対象者ごとに状況は異なります。予定と実績を分けて管理できないと、次に必要な対応を判断しにくくなります。
担当者間の引き継ぎに時間がかかる
記録の書き方や保存場所が統一されていない場合、担当者の変更時に、これまでの目標や相談内容を確認する負担が生じます。本人と合意した内容、連絡の経過、次回の予定を共有できることが大切です。
報告書作成や集計のために入力し直している
支援時に記録した情報を報告書や請求用の管理表へ再入力していると、実施後にも作業が集中します。提出する情報と日々の記録をどう結び付けるかを整理する必要があります。
システムで管理する特定保健指導の業務フロー
特定保健指導の管理は、面接当日の記録だけでは完結しません。前後の工程を含めて、情報を引き継げるか確認しましょう。以下は一般的な業務の流れの例です。
- 健診結果の確認・対象者抽出
- 利用案内・予約
- 初回面接・計画作成
- 支援・経過記録
- 実績評価
- 結果報告・請求
実際の支援内容や実施方法は、支援区分、契約、対象者の状況などによって異なります。すべての対象者に同じ回数・同じ方法の支援を設定するのではなく、自施設の運用を管理できるか確認することが重要です。
各工程では、「誰が担当するか」「何を入力するか」「いつ完了とするか」を決めます。たとえば、予約済みという状態と、面接実施済み・記録確認済みという状態を区別すると、作業の進み具合を把握しやすくなります。
特定保健指導システムで確認したい8つの機能
01対象者の検索・抽出と健診結果の参照
健診結果や支援区分、所属、契約先などの条件から、対象者を確認できる機能です。保険者から受け取った対象者情報を登録する場合は、既存の個人情報や健診履歴とのひも付けも確認します。
階層化などの判定機能を利用する場合は、必要な情報がそろっているか、判定根拠を確認できるか、担当者が確認・修正する手順があるかまで確認しましょう。
02予約枠・担当者・実施場所の管理
初回面接や継続支援などの予定を、担当者や会場、時間帯とともに管理できるか確認します。予約変更やキャンセル、再予約をどう扱うかも重要です。
予約状況を確認する管理機能と、対象者本人が利用するWeb予約機能は別です。自施設で必要な予約方法が、標準機能・オプション・外部サービスのどれに当たるかを確認しましょう。
03行動目標・支援計画の記録
本人と合意した目標や行動計画、目標値、支援方法、今後の予定などを記録できる機能です。定型の項目に加えて、その人の生活状況や相談内容を残せることも大切です。
計画を変更した場合、変更前の内容や経過を確認できるかも確認します。担当者が交代しても、支援の方針を共有できる形で記録を残しましょう。
04面接・電話・電子メールなどの支援記録
実施日、支援方法、担当者、支援内容、対象者の反応、次回の対応などを記録できるか確認します。記録した内容を時系列で確認できると、これまでの経過を振り返りやすくなります。
電子メールによる支援を記録できることと、システムからメールを送信できることは同じではありません。入力・記録の範囲と、連絡手段そのものの提供範囲を分けて確認しましょう。
05進捗・未実施・中断の管理
支援の予定と実施状況を確認し、未実施や未評価の対象者を抽出できるか確認します。途中で中断した場合も、理由や連絡の経過を残せると、状況の把握に役立ちます。
通知やリマインド機能がある場合は、通知先、条件、頻度、送信結果の確認方法まで確認します。通知機能がなくても、一覧から対象者を確認し、担当者が対応する運用を設計できます。
06支援実績と評価に必要な情報の管理
支援の実施内容に加え、評価時点の測定値や生活習慣の変化など、評価に必要な情報を記録・確認できるかが重要です。予定していた支援と、実際に行った支援を区別して扱えるかも確認します。
評価やポイントの計算を支援する機能がある場合は、対応する制度・条件、計算の根拠、未入力時の扱い、修正後の再計算を確認します。画面の表示だけで完了とせず、必要な情報がそろっているかを担当者が確認する手順を設けましょう。
07帳票・結果報告データ・請求情報の作成
支援計画書、実施報告書、結果報告データなどを、登録済みの情報から作成できるか確認します。XML出力が必要な場合は、対象の仕様や提出先で求められる項目に対応しているかも確認します。
結果報告と請求は関連しますが、契約条件や業務上の確認事項は異なります。報告済み・請求済みの管理、訂正や再出力の手順、別の請求システムへ引き渡す範囲を整理しましょう。
08利用権限・操作履歴・データ保全
担当業務に応じて、閲覧・入力・修正・出力などの権限を設定できるか確認します。複数拠点や委託先との利用を想定する場合は、閲覧できる対象者の範囲も重要です。
操作履歴の確認方法、バックアップの担当、復元の手順、障害時の問い合わせ窓口も確認します。機能が用意されていることと、自施設で運用できることの両方を確認しましょう。
第4期特定保健指導への対応で見るべきポイント
第4期特定健診・特定保健指導の計画期間は、2024年度から2029年度までです。積極的支援の実績評価には、成果を重視するアウトカム評価が導入されています。
システムを選ぶ際は、支援回数や実施内容を記録するだけでなく、成果の確認に必要な情報も扱えるか確認します。腹囲・体重の変化や生活習慣の改善などについて、評価に用いる情報をどこに記録し、どう確認するかを整理しましょう。
また、第4期ではICTを活用した支援も評価の対象として扱われています。ただし、「第4期対応」と「オンライン面談機能を内蔵していること」は別です。制度上の記録・評価への対応と、面談に利用するサービスや機器の構成は分けて確認します。
- アウトカム評価とプロセス評価に必要な項目を記録・確認できるか
- 評価やポイント計算を支援する場合、適用条件や根拠を確認できるか
- 第4期に対応した結果報告の項目・出力形式を確認できるか
- 制度の取扱いや仕様が変わった際の更新方法・費用を確認できるか
制度対応の確認では、製品説明に加えて、厚生労働省の手引き・Q&Aと提出先の運用条件を参照しましょう。
参考:厚生労働省による第4期の改訂点の解説/特定健診・特定保健指導の手引き・Q&A等(2026年10月27日確認)
特定保健指導システムを導入するメリット
情報を探す時間や転記作業を減らしやすい
健診結果、支援計画、実施記録を関連付けて管理できれば、複数の資料を探す手間や二重入力の削減につながります。どの入力をなくせるか、導入前に作業単位で確認することが大切です。
次に対応する対象者を把握しやすい
未予約、支援予定、未評価などの状態を確認できると、優先して連絡・確認する対象者を把握しやすくなります。一覧を誰がどの頻度で確認するかまで決めることで、機能を日々の運用に生かせます。
担当者間で支援の経過を共有しやすい
本人と合意した目標や支援の記録を共有できれば、担当変更時の引き継ぎを進めやすくなります。定型項目と自由記載の使い分け、記録の確認手順も合わせて整えましょう。
報告・集計業務を進めやすい
日々の記録を帳票や集計に利用できれば、実施後の事務負担を減らせる可能性があります。システムを導入するだけで参加率や健康指標の改善が保証されるわけではなく、利用案内や専門職による支援、運用の改善と組み合わせることが重要です。
健診システムとの連携・一元管理が重要な理由
特定保健指導では、支援記録だけでなく、対象者の健診結果や過去の経過を参照する場面があります。健診情報と保健指導情報をつなげて管理できると、確認のために別の画面や資料を開く負担を減らしやすくなります。
健診と保健指導を同じシステムで扱う場合も、別システムを連携する場合も、個人IDや受診年度、対象となる健診結果のひも付けを確認することが大切です。
- 同じ対象者を重複登録せず、履歴を確認できるか
- どの健診結果に基づく保健指導かを識別できるか
- CSV・XMLなど、必要な形式で情報を受け渡せるか
- データの訂正や再取り込みで、重複・上書きをどう扱うか
- 自動連携と手作業が必要な範囲を明確にできるか
過去データを移行する場合は、氏名や件数の一致だけでなく、健診結果・支援記録・評価結果が正しい対象者に結び付いているかを確認しましょう。
自施設に合ったシステムの選び方
管理する立場と業務範囲を明確にする
保健指導を実施する機関では、予約、日々の支援記録、実績評価、報告・請求などが主な確認対象になります。一方、医療保険者が複数の委託先を管理する場合は、委託先別の進捗や結果の集約なども検討項目です。
誰が、どの情報を、どの範囲で管理するかを整理してから比較すると、必要な機能を絞り込みやすくなります。
業務管理と対象者向けサービスを分けて比較する
職員向けの管理画面と、対象者向けのアプリやWeb予約、オンライン面談、メッセージ機能は別の機能です。すべてが一つの製品に含まれるとは限りません。
すでに利用しているサービスを継続する場合は、データを引き継げるか、入力が重複しないか、追加の契約や費用が必要かを確認します。
実際の支援の流れでデモを確認する
「対象者を登録し、初回面接を予約して計画を入力し、その後の支援と評価を記録して報告する」という一連の操作を確認しましょう。予約変更、担当変更、未入力、中断など、通常と異なるケースも確認すると運用の適合性が分かります。
標準機能・オプション・個別対応を区別する
必要な機能について、標準で使えるか、設定が必要か、追加契約や開発が必要かを確認します。提供会社が支援する作業と、自施設が担当する作業も明確にしましょう。
導入費用と運用コストの考え方
費用は、利用人数、拠点、構成、必要な機能、データ移行、外部連携などによって変わります。初期費用や月額料金だけでなく、運用に必要な費用を同じ条件で比較することが重要です。
- 初期設定・導入支援:マスタ設定、業務設計、操作教育
- システム利用:ライセンス、利用料、保守、サーバーや端末
- データ移行・連携:既存記録の移行、データ変換、接続設定
- 個別対応:帳票調整、追加機能、契約先ごとの設定
- 継続運用:制度対応、更新、問い合わせ対応、バックアップ
オンライン面談や連絡サービスを別契約で利用する場合は、その費用も含めます。自施設の担当者がデータ整理やテストに使う時間も、導入計画に織り込みましょう。
効果の確認には、記録・転記に要する時間、未対応者の確認時間、報告書作成の手間など、導入前後で比較できる指標を用意すると役立ちます。
導入前に確認したいチェックリスト
– 対象者情報と健診結果・支援記録を関連付けて管理できるか
– 自施設の支援区分・契約・実施方法に合った設定ができるか
– 予約・実施・評価の状況を区別して確認できるか
– 未実施・未評価・中断など、必要な対象者を抽出できるか
– 第4期の評価に必要な情報と報告形式を扱えるか
– 必要な帳票や提出先向けデータを作成できるか
– 対象者向けの予約・連絡・面談機能の提供範囲が明確か
– 利用権限、操作履歴、バックアップの運用を確認できるか
– 既存データの移行範囲と、照合方法を確認できるか
– 制度変更時の更新と、導入後の支援体制が明確か
導入時は、少数の代表的なケースでデータ登録から報告までを試し、担当者ごとの操作手順を整えます。本番運用後も、最初の評価・結果報告・請求まで確認し、問い合わせや修正点を共有しましょう。
特定保健指導業務を支える「New Rainbow」
株式会社サン・システムズコーポレーションが提供する健康管理サポートシステム「New Rainbow」は、健診と保健指導の情報をまとめて管理するシステムです。公式製品紹介では、第4期特定健診・特定保健指導への対応が案内されています。
保健指導に関する機能として、支援パターンの登録、予約管理、行動目標・計画や指導内容の入力、実施状況の検索、帳票・結果報告媒体の作成などが紹介されています。健診結果と支援の経過を一緒に確認したい施設では、自施設の業務と照らし合わせて検討できます。
必要な帳票やデータ連携、既存情報の移行、オンライン面談などの周辺サービスとの併用については、個別に対応範囲を確認することが大切です。利用人数、年間の対象者数、現在の管理方法、改善したい作業を整理してご相談ください。
機能情報:New Rainbow 公式製品紹介(2026年10月27日確認)
特定保健指導システムに関するよくある質問
健診システムと特定保健指導システムは同じですか?
管理する業務に違いがあります。健診システムは予約・検査結果・判定・結果報告などを扱い、特定保健指導システムは支援計画・支援記録・評価などを扱います。ただし、両方を一体で管理できる製品もあります。製品名だけで判断せず、必要な業務への対応範囲を確認しましょう。
表計算ファイルから移行できますか?
取り込み可能な形式と、現在のファイルに記録されている内容によって変わります。個人ID、健診年度、支援日、記録項目などを整理し、サンプルデータで移行できる範囲と表示内容を確認しましょう。すべてをそのまま移せるとは限りません。
システムを導入すればオンライン保健指導もできますか?
オンライン面談機能を内蔵する製品もあれば、別サービスを使う構成もあります。面談を行う機能と、実施した支援を記録・評価する機能を分けて確認し、利用条件、費用、操作方法を確認しましょう。
小規模な施設でも導入を検討できますか?
対象者数だけでなく、担当者数、管理する記録の量、転記作業、報告業務の負担をもとに検討できます。必要な機能と運用体制に合う構成を確認し、初期費用・継続費用と改善したい業務を比較しましょう。
まとめ
特定保健指導システムは、対象者情報、予約、支援計画、実施記録、評価、報告などをつなぎ、保健指導に関わる管理業務を支援します。選定では、機能の数よりも、自施設の支援の流れに合っているかが重要です。
第4期への対応、健診データとの連携、進捗の確認、帳票・報告データの作成、利用権限、導入後の支援まで確認しましょう。管理の負担を減らし、専門職が対象者への支援に時間を使いやすい環境を整えることが、システム活用の目的です。
特定保健指導のシステム導入をご検討中の方へ
特定保健指導の記録管理や進捗確認、健診システムとの一元管理にお困りの際は、健康管理サポートシステム「New Rainbow」についてお気軽にお問い合わせください。
現在の業務の流れや管理方法、必要な機能を伺いながら、対応範囲と導入に向けた確認事項をご案内します。

